DACとは? 外付けDACは必要?
DACはデジタル音声をアナログの電気信号に変換します。この機能は、コンピューターやアンプなどの再生機器にすでに内蔵されている場合があります。外付けDACが役立つのは、システムに足りない接続や機能を補うときです。まず、何の機能が足りないのか、実際にどんな問題があるのかを確認しましょう。デジタル音源機器を使っているという理由だけで、別の機器が必要になるわけではありません。
今のシステムで変換が行われる場所を確認する
「」は、デジタル・アナログ変換器のことです。デジタル音声からアナログの電気信号を取り出します。その信号を増幅し、スピーカーやヘッドホンの変換素子が音に変えます。これらの機能が同じ機器に搭載されることもありますが、ライン出力を備えたDAC自体は、パッシブスピーカーを駆動するパワーアンプではありません。
変換機能は、すでに機器に内蔵されているかもしれません。Appleの内蔵変換機能に関する説明では、アナログのヘッドホン出力を備えた対応コンピューターでの例が示されています。また、デジタル入力用の変換機能を備えたアンプもあります。その例は、Denonのデジタル再生に関する説明で確認できます。同じ種類の機器ならすべて同じ機能があると考えず、使う機種の仕様を確認しましょう。
考えられる三つの経路を見ると、違いが分かります。
- コンピューター内で変換する場合: デジタルの音楽 → コンピューター内の変換機能 → アナログ出力 → アンプのライン入力 → 増幅 → パッシブスピーカー。普段の音量調整にはどの音量コントロールを使う想定なのか、確認しましょう。
- 別の機器で変換する場合: コンピューターの対応デジタル出力 → 外付けDAC → アナログ出力 → アンプのライン入力 → 増幅 → パッシブスピーカー。DACの出力が固定か可変か、アンプが音量調整を担うかを確認しましょう。
- アンプ内で変換する場合: 音源機器の対応デジタル出力 → アンプのデジタル入力と内蔵の変換機能 → 増幅 → パッシブスピーカー。普段の音量調整はプリメインアンプで行います。
矢印は機能と信号の順序を示しています。最初と三つ目の経路では、既存の機器の中で変換を行い、二つ目では機器を追加します。実際の出力、入力、対応フォーマットを確認するまで、どの経路についても互換性があるとは判断できません。詳しくは接続ガイドをご覧ください。
問題に合わせて次の手順を選ぶ
音楽がすでに意図どおりに再生できている
アナログ出力から実用的なレベルの信号が得られ、再生上の問題も見つかっていないなら、変換機能が不足しているとは確認できていません。別のDACの仕様表で数値が高くても、それだけで自分のシステムに利点があるとは判断できません。欲しい機能があることと、今の経路では再生できないという主張は、分けて考えましょう。
互換性のある接続がない
音源機器の出力と接続先の入力を、正確に書き出しましょう。接続先に適切なデジタル入力があれば、その内蔵の変換機能で経路がつながる場合があります。アナログ音声しか受け付けないなら、間に適切な変換器が必要かもしれません。プラグの変換アダプターが、デジタル・アナログ変換器でもあるとは限りません。
端子の形状だけでなく、プロトコル、対応する信号フォーマット、チャンネル構成、音量調整も確認しましょう。ステレオPCMを受け付ける機器が、DolbyやDTSのビットストリームを復号できるとは限りません。プレーヤーでAACの音楽ファイルをPCMに復号する場合と、未対応の符号化信号をデジタル入力に直接送る場合では、条件が異なります。
あるフォーマットが再生できない
元の音源、プレーヤーの出力設定、機器の資料に記載された対応機能を確認しましょう。原因はハードウェアの不足ではなく設定にあるかもしれません。対応する出力フォーマットを使えば、再生できる場合もあります。外付け機器で必要な機能を追加することはできますが、それで高解像度の音源のほうが良い音で聴けると分かるわけではありません。ロスレスとハイレゾ音源は、それぞれ異なる性質を表しています。
ノイズやヘッドホンの音量に問題がある
変換機能を原因と考える前に、ハム、バズ、ヒスノイズの発生源をたどりましょう。機器間の接続や接地がノイズの原因になることもあり、DACの交換ですべてが解決するわけではありません。Raneの機器間接続ガイドでは、接続の構成がなぜ重要なのかを説明しています。
ヘッドホンの音が小さい、または歪む場合は、ヘッドホンの駆動要件を確認しましょう。ライン出力を備えたDACと、ヘッドホンアンプを内蔵したDACでは、備える機能が異なります。サンプルレートの表示だけでは、ヘッドホンを適切に駆動できるかは分かりません。
実際に使っている経路を確認する
音源のフォーマット、プレーヤーでの処理、出力機器、アナログ信号の接続先を記録しましょう。サンプルレートの表示で分かるのは、ある段階の情報です。録音の由来や、その後のすべての段階が分かるわけではありません。Roonのシグナルパスに関する資料には、音声をハードウェアに渡した後にソフトウェアが確認できる範囲の限界が明記されています。
購入を判断する前に、「この機器を追加すると、今は足りない次の入力、出力、操作機能、または対応フォーマットが補える」という文を完成させてみましょう。その機能を特定できないなら、機器を増やす前に今の経路を調べましょう。実際に届く音声のフォーマットが気になる場合は、ロスレス再生のチェックリストを使って確認できます。
出典
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