まず両端の表示を確認する
次の三つの手順で、システムのシグナルチェーンにある接続を一つずつ確認しましょう。
- 信号の向きを確認する。音源機器の出力と、次の機器の入力を書き出します。OUTと表示された端子と、INと表示された端子は入れ替えて使えません。
- 信号の種類を合わせる。アナログのライン信号、フォノ信号、スピーカーレベルの信号、デジタル信号のどれなのかを確認します。デジタル音声では、受け側の機器が対応する形式も確認しましょう。
- 取扱説明書で指定された接続を選ぶ。両方の機器の取扱説明書に従い、適切なケーブルと、必要であれば変換機器を使い、入出力を設定します。
接続をメモするなら、「プレーヤーのANALOG OUT L/R → アンプのLINE IN L/R」のように書くと役立ちます。「RCAケーブル」だけでは、接続を成立させるために必要な情報が抜けてしまいます。
アナログ接続ではレベルと役割が重要
は、音源機器と制御・増幅機器の間で使われるアナログ信号のレベルです。PHONOは、適切なフォノプリアンプでの処理が必要なカートリッジの信号を示します。スピーカーレベルの信号は、スピーカーを駆動するためのパワーアンプの出力です。ヘッドホン出力にはヘッドホンを駆動する役割があり、音量調整の働きもその出力に応じて異なります。固定レベルのライン出力と同じものだと決めつけないでください。
ANALOG OUTまたはLINE OUTと表示されたRCA端子
信号の流れ:アナログ出力L/R → 対応するLINE INまたはAUX INのL/R。左右のチャンネル表示を合わせます。出力レベルと、そのレベルが音量調整で変わるかどうかを確認しましょう。
PHONOと表示されたRCA端子
信号の流れ:カートリッジ/フォノ出力 → 対応するPHONO入力。カートリッジとフォノプリアンプの適合性を確認し、レコードプレーヤーにPHONO/LINE切り替えスイッチがあれば、その設定も確認します。
アナログ音声用と表示されたXLR端子
信号の流れ:アナログ出力 → 対応するアナログ入力。配線、入出力の仕様、バランス接続への対応を確認します。
3.5 mmまたは6.35 mmのジャック
信号の流れ:HEADPHONES出力 → ヘッドホン、または取扱説明書でLINE出力とされている端子 → ライン入力。端子の実際の役割を確認してください。直径や接点の数だけでは判断できません。
スピーカー端子とスピーカーケーブル用プラグ
信号の流れ:取扱説明書で指定されたパワーアンプ出力 → 接続先として想定されたスピーカー端子。負荷の条件、極性、ケーブルの接続方法を確認します。その端子が、セットで供給されるパワードスピーカーのペアをつなぐためのものではないかも確認しましょう。
同じRCA形状の端子でデジタル音声を扱う場合もあります。同様に、Esotericの接続説明書の10–11ページでは、XLRのアナログ用とデジタル用の使い方が別々に説明されています。端子の見た目や色ではなく、表示全体を確認してください。
パワーアンプのスピーカー出力を通常のライン入力につながないでください。スピーカーレベルの出力によって、その入力が破損するおそれがあります。Focusriteのラインレベルとスピーカーレベルの解説でも、この違いが明記されています。スピーカーレベルの信号用として設計され、その用途が明示されている入力は別です。その場合は、記載された適合条件と接続手順に従ってください。
バランス接続が成立するかは、入出力のインターフェースと配線によって決まります。XLRからRCAへのアダプターを使っても、音源機器の出力回路がバランス回路に変わるわけではありません。Raneの機器間接続に関する解説では、回路構成が重要になる理由を説明しています。すべての出力に使える、初心者向けの単一の配線方法はありません。
TRSジャックには、チップ、リング、スリーブの接点があります。同じ接点構成でも、バランス接続のモノラル・ライン音声や、アンバランス接続のステレオ・ヘッドホン音声を扱う場合があります。Focusriteのコネクター解説では、両方の使い方が紹介されています。接点の数だけでは、その端子がどの信号を受けるものなのかは分かりません。
バナナプラグやYラグなど、スピーカーケーブルの先端に使う接続部品については、Klipschのコネクター解説で説明されています。形が合うだけでは端子の役割は分かりません。資料に示されたパワードスピーカーのペアの例では、端子はペアのもう一方のスピーカーをつなぐために使われ、レシーバーやアンプのスピーカー出力には接続しないよう指示されています。スピーカーレベルの接続を検討する際は、そのシステムの取扱説明書に従ってください。
デジタル接続では受け側がデータを扱えることが必要
デジタル接続は、符号化された音声を、そのデジタルインターフェースと形式に対応する機器へ送ります。端子の形が合うことは、接続を成立させる条件の一部にすぎません。
COAXIAL DIGITALと表示されたRCA端子
信号の流れ:デジタルOUT → 対応する同軸デジタルIN。対応形式を確認し、指定されたデジタル用ケーブルを使用します。これはアナログRCA入力ではありません。
DIGITALと表示されたXLR端子
信号の流れ:デジタルOUT → 対応するデジタルIN。アナログXLR接続と同じだと考えず、取扱説明書に記載されたデジタルインターフェースとケーブルを使います。
光デジタル
信号の流れ:光OUT → 光IN。対応する音声形式と出力設定を確認します。
USB AUDIO
信号の流れ:対応するパソコンや機器 → 取扱説明書で指定されたUSB音声入力。接続する機器の役割、データ接続、必要なソフトウェアの条件、選択されている音声出力を確認します。
USB MEDIA
信号の流れ:ストレージ機器 → 取扱説明書でメディア読み取り用とされているポート。対応するストレージとファイル形式を確認します。パソコンからの音声も入力できるとは限りません。
HDMI ARC/eARC
信号の流れ:テレビ音声 → リターンチャンネル用の端子を通じて、対応するオーディオ機器へ。両端で必要な機能に対応しているか、正しい端子を使っているか、対応形式と設定は適切かを確認します。
Cambridge Audioの取扱説明書には、USB AudioとUSB Mediaの違いが具体的に示されています。端子が同じコネクターの系統に属していても、役割は異なります。HDMI Licensing AdministratorのeARC概要では、テレビ音声のリターンチャンネルを説明しています。機器の別の場所に通常のHDMI入力があっても、その入力でこの経路が成立するわけではありません。
デジタル入力が受け付ける音声形式は、特定のものに限られる場合があります。たとえば、Denonの再生手順では、PCM以外の入力には対応しないと明示されています。PCMは音声をデジタルで表現する方式です。テレビを接続する際は、機器が対応するステレオPCM設定が重要になる場合があります。テレビが送れる形式をすべてデコードできると考えず、実際に使う受け側の機器や変換機器の仕様を確認してください。
プラグが合うだけでは接続できない二つの例
テレビの光出力と、アナログ入力しかないアンプ
テレビはデジタル音声を送り、アンプのLINE INはアナログ音声を受け取ります。光からRCAへとプラグの形を変えるだけのパッシブアダプターでは、この変換はできません。
テレビの光OUT → 対応するデジタル・アナログ変換器 → アナログLINE OUT L/R → アンプのLINE IN L/R
変換器は、テレビで選択した形式を受け付け、必要なアナログ出力を備えている必要があります。再生音量をどこで調整するかも確認しましょう。これは接続経路の例であり、どのテレビや変換器でも対応するという意味ではありません。手順全体は、テレビをステレオシステムにつなぐ方法で説明しています。
PHONO/LINE切り替えスイッチのあるレコードプレーヤー
プラグが同じでも、信号は変わることがあります。内蔵のフォノ処理を有効にした場合は、ライン出力を対応するライン入力につなぎます。内蔵の処理をバイパスした場合は、カートリッジの出力を受けるために、後段に適切なフォノプリアンプが必要です。Audio-Technicaのプリアンプ切り替えスイッチの説明(5ページ)では、両方の経路が示されています。
カートリッジ → 適切なフォノプリアンプを一段 → ラインレベルの入力 → 後段の制御と増幅
フォノ処理は一度だけ行う構成にします。処理済みのLINE出力をPHONO入力につなぐことを、一般的な解決策にしないでください。フォノとラインの違いでは、この区別を説明しています。接続の順序は、レコードプレーヤーの接続ガイドを参照してください。
最初に再生する前に
各機器の接続と電源に関する指示に従い、左右のチャンネルとスピーカーの極性表示を合わせ、使う入力と日常的な音量調整の場所を確認します。工場出荷時の保護接地はそのまま維持してください。Raneの解説の導入部分でも、音声の問題を解決するために保護接地を損なわないよう、明確に警告しています。
表示や機能が分からないままなら、取扱説明書で確認できるまで、その接続は行わないでください。接続済みのシステムで不具合がある場合は、関係のないアダプターを試すのではなく、音が出ないときの確認手順や、ブーン、ジーというノイズの対処ガイドを参照してください。
出典
- Connection functions and signal direction — manual, pages 10–11 — TEAC / Esoteric
- Rear-panel connections, USB Audio and USB Media — manual — Cambridge Audio
- Digital playback and accepted input formats — Denon
- Enhanced Audio Return Channel overview — HDMI Licensing Administrator
- Sound System Interconnection — Note 110 — Rane
- Turntable preamp selector — manual, page 5 — Audio-Technica
- Powered-pair companion connection — quickstart step 2 — Audioengine
- Types of Audio Connectors — Klipsch
- Line level, speaker level and TRS signal roles — Focusrite
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